公開日:2007年12月9日

THE SIX 現場レポート(3)

関東圏6美大から選抜された36作品が展示される、学生運営型の展覧会「THE SIX」の現場リポートをお伝えします。

THE SIX 提供記事

関東圏6美大の芸術祭への出展作品から選抜された36作品が展示される、学生運営型の展覧会「THE SIX」も無事終了しました。二回にわたり準備の様子やレセプションの様子などをお伝えしてきましたが、最終回は全体を振り返って、会期中の様子や感想などをお伝えします。

『当時まだゴールドスミスカレッジの2年生だったダミアン・ハーストが1988年に主催した自主企画展示会「Freeze」により、それまで埋もれていた同世代の才能豊かな若いアーティストたちにスポットをあてたように、我々もTHE SIXを通じて、学校も表現分野も超えた日本の若きアーティストたちの創造性を、広く社会に発信していきたいと思っています。』会場入り口に掲載した挨拶文の一部です。

今回THE SIXでは3日間トータルで1880人の来場を記録しました。そのなかでたくさんの出会いがあり、また作家同士、多くの刺激を与えあうことができました。

展示一般公開初日。この日は平日でさらに天気にもあまり恵まれず来場者には恵まれませんでした。しかし、土曜、日曜の二日間は来場者が途絶えることなく、終始会場は来場客でにぎわっていました。

振り返ってみて印象的だったことは、展示会場に入って出てくるまでの時間がとても長いことです。展示会場を見回っていると、ひと展示ごとにじっくり見ている方や、何度も戻ってきては気に入った展示を見ている方など、ひと作品にかける時間がとても長く、それだけ一つ一つの作品に魅力が詰まった物であったと再確認しました。

レセプションパーティーと展示期間の3日間には、たくさんの著名なギャラリストやコレクター、アートディレクター、そして企業の方々に来ていただきました。そのことによって声をかけられた学生はもちろん、その様子を見ていた学生たちにも多くの刺激となったと思います。


また、私は大学ではデザイン科に所属していて、ファインアートの世界を全く知りませんでした。今回の展示を通してファインアートの世界を知ることができとても勉強になりました。そして、この展示をきっかけに版画をやっている学生と作品を一緒に作ることになりました。出展した学生たちはこの企画を通して社会とのつながりや、展示者同士のつながりなど掴んでもらえたと思います。

今後THE SIXはさらに大きくなって続けていけたらと思っています。そして今回出展してくれた学生たちが、将来自分達が初代展示者であることが誇りに思えるような展示会に成長できたらなと思っています。

THE SIX

THE SIXとは東京藝術大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、東京工芸大学、女子美術大学、大阪芸術大学、京都市立造形大学、京都造形芸術大学、愛知県立芸術大学の全国10美術大学の芸術祭の優秀作品を一同に介した展覧会です。【日本の美大生】の今をご覧ください。