フランス・モード ー18世紀から現代まで―

服飾デザインの変化をみる ~日仏交流150周年記念に寄せて2~ 

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「日仏交流150周年記念 フランス・モード-18世紀から現代まで」展

新宿エリアにある
文化学園服飾博物館にて
このイベントは終了しました。 - (2008-04-17 - 2008-06-14)

In Main Article 3 レビュー by Aie Shimoguchiya 2008-06-10

学校法人・文化学園の新宿校舎のなかにある文化学園服飾博物館。ここには、創立85年を誇る文化学園が長きにわたってコレクションした約2万点もの服飾資料が所蔵されており、一般にも500円と手ごろな入館料で公開されている。国内外の、時代的にも広範囲にわたる膨大な資料は、世界屈指の保存状態といわれ、海外から映画の衣装スタッフも取材に訪れるほど。最近では、ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』の衣装制作にも参考にされたという。

年間4回の企画展が行われており4月17日~6月14日まではフランス服飾史の250年を紹介する「フランス・モード」展が開催。マリー・アントワネットが生きた18世紀のロココ・スタイルから、現代のパリ・コレクションまでの変遷が見られる。
“La Mode Illustrée”展示室には時代ごとの衣装を着たトルソーがずらりと並ぶ。絢爛豪華なロココ・スタイル、ナポレオン帝政時代に流行したエンパイア・スタイル、王政復古とともに華やかなドレスが復活したロマンティック・スタイル、19世紀半ばのボリューミーなスカートが特徴的なクリノリン・スタイル…と続き、端から眺めていくだけで目に楽しい。

ドレスが貴族階級に限らず市民層にまで広まりはじめるのは19世紀中ごろのこと。ミシンの普及で大量生産が可能になったことや、それまでになかったデパートが誕生したことによって商品の概念ががらりと変わる。19世紀末から20世紀初頭にかけては今のパリ・コレクションの基礎となるオート・クチュールが登場。社会の近代化や、スポーツの流行に伴ってドレスには機能性が求められるようになり、動きやすいデザインへと変わっていく。

余談になるが、フランスにはお風呂に入る習慣も19世紀中ごろまでなかったというのはご存じだろうか。それは上下水道が完備されていなかったからであるが、国王のルイ16世でさえ年に1度濡れタオルで体をふく程度だったそう。大抵の人が一度も体を洗わぬまま一生を終えたのだという。豪華で可憐な見た目のドレスも、においのほうは果たして…。

服飾デザインは時代や社会を表象する記号といえるもの。特にスカートのフォルムは時代ごとの変化が顕著で、膨らんだりしぼんだり、丈が短くなったりしていく。その変化ひとつひとつに、時代背景との関係を見つけてみるのは面白い。みなさんも館内プラカードの時代説明をじっくり読みながら順路を進んでみてください。

ローブ・ア・ラ・フランセーズ 1770年代スーツ 1966年頃 シャネル

Aie Shimoguchiya

Aie Shimoguchiya. 東京都出身。ライター/文筆業。「スタイリッシュ・シネマ」を連載。 http://fashionjp.net/fashionclip/stylishcinema/ ≫ 他の記事

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