公開日:2011年10月12日

Tokyo Art Mapミニ企画「豊かな感性を育てる」

Tokyo Art Map発の現場インタビュー。今回は東京ミッドタウンをお散歩中の2組の親子にお話を伺いました。

一般の方にご参加いただくTokyo Art Mapのミニ企画。9-10月号の撮影とインタビューの舞台となったのは、東京ミッドタウン正面入り口に位置する、安田侃氏の彫刻作品《妙夢》の前。

撮影時は夏休みの真っ直中! ということで、今回の主役はキッズ。当日はあいにくの雨でしたが、屋内施設が充実した六本木には、家族連れの姿もちらほら。その中から2組の親子へのショートインタビューをお届けします。



インタビュー1 りゅうくんとお母様
絵の具あそびが大好きな5歳の男の子。今号の表紙を得意のポーズで飾ってくれました。

▼ いつもどんな遊びをしているの?
りゅうくん:鬼ごっこをしたり、お父さんとサッカーをするよ。

▼スポーツが好きなんだね。
お母様:美術館に行くのも好きですよ。箱根彫刻の森美術館が大好きで、連れて行くとよろこんではしゃぎ回ります。今日も歩いている途中で、美術館のそばを通ったのですけど、行こう行こうって腕を引っ張るんです。

▼では、美術館の展示やワークショップなどにはよく行かれるんですか?
お母様:そうですね。子どもを対象にしたワークショップやイベントをホームページなどで調べて出かけます。まだ5歳だから、この子はまだ参加できない小学生向けのものが多いのですが。活動の場があるところがいいですね。箱根彫刻の森美術館は、アートと遊具が一体化したような作りになっていて、塔に登ったり、穴にもぐったりできて子どもはとても楽しんでいます。四谷にある東京おもちゃ美術館も体験型施設なので面白いですよ。

りゅうくんの感性を解き放つため取材スタッフも一緒にポーズ!
りゅうくんの感性を解き放つため取材スタッフも一緒にポーズ!

▼りゅう君の感性を育てるために、他には何をしていますか?
お母様:子どもには特に何も言わないようにしています。例えば子どもの絵を大人がみると、そんな色の犬っている? とついつい口出しをしたくなるものです。でも、我慢して何も言わないようにしています。色が好きで、本当に自由な使い方をするのです。七色のハチなんていうのも、平気で描きます。

▼ りゅう君は絵を描くのが好きなのですか?
りゅう君:好き!
お母様:一日中、絵を描いているときもあります。何かを描くんじゃなくて絵の具でただ遊んでいるときも。色水を作って遊ぶんです。色が混ざっていく様子が面白いのでしょうね。この間は、白いコーヒーフィルタで、朝顔をつくろうとしました。色をじわじわとしみ込ませているうちに、混ぜすぎて茶色くなってしまったんです。ねぇ、ほら、茶色い茄子みたいになっちゃったんだよね。
りゅう君:てへへ。

▼ 他にはどんな作品を作ったの?
りゅう君:猫ちゃんポスト。
お母様:これは折り紙の作品です。折り紙でも、テープで張り合わせた箱とか独創的なものを作りますね。工作用の本を見ながら作っていても、全然違うものが出来上がったりするんですよ。

▼お子様ならではのモノの見方や感じ方に驚かされたことはありますか?
何かを見て、全く違う犬のしっぽを連想したり、驚かされることは多々あります。残念なことに、たいていは聞き流してしまいますけど。

さやちゃん(左)れなちゃん(右)それぞれ気に入った絵のポストカードを手にニコリ。
さやちゃん(左)れなちゃん(右)それぞれ気に入った絵のポストカードを手にニコリ。
インタビュー2 れなちゃん(7歳)、さやちゃん( 6歳)とお母様
ピアノ、生け花、お絵描きなど多様な趣味を持つ姉妹。美術館からの帰り道にTABチームと遭遇、取材しました!

▼ 今日はどんな用事で六本木にいらっしゃいましたか?
お母様:下の子(さやちゃん)のお絵描き教室の先生に勧められて、国立新美術館へワシントン・ナショナル・ギャラリー展を観に来ました。子どもたちと美術館に来るなんて久しぶりです。家から遠いのですが、夏休みということもあって思い切ってやってきました。

▼ さやちゃんは、お絵描きが得意なのですか?
お母様:好きですね。この間は、画用紙いっぱいにパソコンのキーボードを描いて、レインボー色にぬっていました。

▼ パソコンをモチーフにするなんて現代っ子ですね。れなちゃんは何が好きなの?
れなちゃん:ピアノ。「チューリップ」を上手に弾けるよ。
お母様:れなは、他に生け花もやっているんですよ。

▼ 子どもの頃から趣味が多彩ですね。
お母様:子どものうちからいろんなことを体験させるようにしています。この間は富士山へ出かけて、五合目まで登りましたよ。絵本の読み聞かせもなるべく毎日行っています。

▼ 「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」の感想を教えてください。
お母様:良かったですね。二人ともとても楽しんでいたようです。一番好きな絵のポストカードをそれぞれ選んで記念に買いました(画像参照)。子どもも分かるような解説をしてくれるともっと良かったかも。今日は、他にも東京ミッドタウンでやってる、子ども向けスタンプラリーに参加できたので満足です。こういう子ども向けのイベントはどんどん知りたいですね!

—— ありがとうございました!
お子様の感性を豊かに育てるために親御さんは皆さんいろんな工夫をしていて、美術館に行くのもその方法の一つなんですね。今回撮影の舞台となった東京ミッドタウンでこの秋行われる「デザインタッチ」も、デザイン広場やワークショップ等お子様が楽しめる要素がいっぱいです。ぜひご家族で足を運んでみてください。

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[TABインターン]
Ai Kiyabu: 89年生まれ。美学を専攻する大学生。編集者目指して、雑誌「GINZA」でアルバイト中。Sputniko!展にスタッフとして参加後、アートと社会の関わりに興味を抱く。趣味はアウトドア。バッグ一つで生きていける人生を模索中。

富田さよ:東京出身。一般企業勤務後、大自然と大都会という環境の異なる二つのアートセンターのアシスタントを経てTABインターンに参加。

TABインターン

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学生からキャリアのある人まで、TABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。3名からなるチームを4ヶ月毎に結成、TABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中! 業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、TABlogでも発信していきます。