ルイ・ヴィトンは米フロリダ州マイアミにて開催された「デザイン・マイアミ2014」にて、フランスを代表するインテリアデザイナーであるピエール・ポランの未発表デザインを再現した。
今回発表されたモジュラーファニチャーデザインは、ピエール・ポランが1972年にアメリカのオフィス家具メーカーのハーマンミラー社のために構想を描いた住宅用プロジェクトの一部だったが、これまで制作されたことがなかった。
「La Maquette(ラ・マケット=模型)」として再現されたデザインは、ポンピドゥー・センターのコレクションの一部として展示されている。これらの模型は連結式のリクライナー「Déclive」やカーペット「Tapis-siège」などを始め、多数のスケッチや初期のフロアプランを土台に制作された。
同コレクションは6つの階に分かれており、レベル0(1階)にはベーシックモジュール群が並び、自由に組み立て、パーソナルな生活空間を自ら作り上げることが可能。その他5つの階においても、モジュールの多様な組み合わせが紹介されている。
1953年にデビューしたピエール・ポランは、独創的な思想による先駆的なデザインを多数制作。当時から、変わりゆく世界、新しいテクノロジー、そして居心地が良く安心できる生活空間の3つを結びつけ、人間が周囲との関係をコントロールできる空間の必要性を予見していた。
ストレッチ素材の布を使用した新しいフォルムのデザインを多数手掛け、「リボンチェア」や「タンチェア」などの作品は今もなお高く評価されている。
Text: 玉田光史郎(Koushiro Tamada)