JR東日本は、デザイナーに写真家の蜷川実花を起用した「GENBI SHINKANSEN/現美新幹線」を発表した。運行開始時期は2016年春以降を予定。列車自体をキャンバスに見立て、外観に「長岡の花火」を描き出す大胆なデザインを施し、併設するカフェでは地元や地域の食材を活用したメニューが提供される。
車内のインテリアは、車両ごとに各アーティストがこの場所のために制作したもので形作られる。中程の1両を「カフェ」と「キッズスペース」空間とし、カフェでは魚沼産コシヒカリの米粉を生かしたケーキやマドレーヌなどを製造する菓子工場「十日町すこやかファクトリー」と、著名な菓子研究家が協力して製造したメニューを提供。キッズスペースについても、アーティストが監修し、こどもがアートに触れられる空間となる。
また、片方の先頭1両は従来の座席配置を踏襲するものの、アーティストがインテリアの素材やデザインの選定・監修を担当する。車内に展示されるアート作品は絵画、立体、写真、映像、テキスタイルなどの現代アートを中心とした作品を予定しており、具体的な参加アーティストや作品内容等は今後決定される。
この列車は、新潟エリアの越後湯沢~新潟間を結ぶ。アートイベント「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が開催される新潟エリアに向かうアートファンを楽しませようとする試みでもある。
■列車の仕様と運行
対象車両:E3系(新幹線用車両)の改造
車両愛称 「GENBI SHINKANSEN/現美新幹線」
座席:6両編成 / 105名(予定)
運行開始時期:2016年春以降(予定)
運行線区:新潟エリア(越後湯沢~新潟間)を中心とした上越新幹線区間
運転日:臨時列車として、土休日を中心に年間120日程度の運行(予定)
JR東日本のプレスリリース
http://www.jreast.co.jp/press/2014/20150303.pdf
執筆:岡徳之(Noriyuki Oka Tokyo)