公開日:2015年10月10日

札幌国際芸術祭2017のゲストディレクターに大友良英が就任

【Art Beat News】音楽業界からの表現者が芸術祭に新しい発想喚起をもたらす

ゲストディレクターに就任した大友良英(撮影:佐藤類)
ゲストディレクターに就任した大友良英(撮影:佐藤類)

2017年夏に開催される「札幌国際芸術祭2017」。その運営者である創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会は、ゲストディレクターとして音楽家の大友良英が就任したと発表した。

大友良英は、ギタリストやターンテーブル奏者としてフリージャズやノイズミュージックの分野で活躍する一方、作曲を手がけていることでも知られる。2013年にはNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽も担当するなど、幅広い年齢層からその表現に支持を得ている。近年は、「プロジェクトFUKUSHIMA!」などの市民参加型のプロジェクトにも精力的に携わっており、2012年に芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。札幌国際芸術祭2014では「プロジェクトFUKUSHIMA!北3条広場で盆踊り」ならびに「オーケストラSAPPORO!」でも活躍した。それが継続される形で、今年も「さっぽろ八月祭」として札幌の芸術シーンにも参加している。

大友はまた、2014年から独立行政法人国際交流基金 アジアセンターが主催する「アンサアンブルズ・アジア」のアーティスティック・ディレクターに就任し、アジア各国のアーティストやミュージシャンと交流するなど海外での活動も積極的に拡げている。音楽の領域に留まらない国際的な活動実績と経験から来るディレクションの手腕が、芸術分野である同プロジェクトに期待される。就任に際して次のように述べている。

「震災後、さまざまな活動をしていくなかで、わたしの中に芽生えた大きな確信があります。それはあらゆる表現は専門家だけのものではないということです。もちろん、専門領域で熟達した人々でなくては出来ないものもあります。同時に専門領域の人だけでは見えない世界もある・・・そう思うようになりました。それは音楽や美術の話だけではなく、ありとあらゆる領域で言えることかもしれません。そんな両者の扉を開くこと。普段は出会うことのない世界が出会うことで、ハレーションを起こしたり、新しい発想が生まれたり、もしかしたら見たことも聴いたこともないものが生まれたり。専門家であれ、そうではない人であれ、もう一度、耳をすましてみる、目をこらしてみる。そして一緒につくってみる。そんな、どこにもない芸術祭を札幌で出来ればと思っています」

前回のゲストディレクターの坂本龍一につづいて、音楽界からの表現者が加わり、札幌には新しい風が吹きそうだ。

札幌国際芸術祭ウェブサイト – 札幌国際芸術祭2017ゲストディレクターに大友 良英氏の就任が決定しました
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/news_gd2017/

(執筆:赤江龍介、編集協力:岡徳之)

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