DIC川村記念美術館はサイ・トゥオンブリーのブロンズ彫刻を収集し、同館が所蔵するトゥオンブリーの絵画作品《無題》(1968年)とともに展示する「トゥオンブリー・ルーム」を開設した。
サイ・トゥオンブリーは、アメリカ現代美術を代表する作家のひとりであり、ロスコやポロックらアメリカ抽象表現主義の巨匠たちの次世代を代表する画家として、彫刻、素描、写真作品においても優れた作品を残し、「孤高の詩人」とも評される。
今回、同館が新たに収蔵したブロンズ彫刻は、トゥオンブリーの作家人生において重要な作品として位置づけられている。元来、ブロンズの原型となった作品は1966年に旧友エリザベス・ストークスに贈るため、木製の台座と石膏を材料として制作されたのだという。その後、保存の問題からエリザベスの希望を受けて5点のブロンズに鋳造した同作は、エディション1/5であり、エリザベス自身が長く手元に置いていた貴重な作品となる。
DIC川村記念美術館では、今回の「トゥオンブリー・ルーム」の新設によって、「ロスコ・ルーム」とともに、コレクションの新たな見どころが生まれた格好になる。同館を訪れる際には、世界的に見ても貴重な新コレクションをぜひチェックしたい。
■概要
開設日:2016年9月3日(土)より2階「トゥオンブリー・ルーム」にて一般公開
開館時間:9:30〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日に休館)
入館料:一般1000円から、学生・65歳以上800円から、小中高600円から
(料金は来館時の展示内容によって異なる)
所在地:DIC川村記念美術館 千葉県佐倉市坂戸631
問い合わせ先:0120-498-130
(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)