ジャン=ミシェル・オトニエルが日本文化に影響を受けた新作:ペロタン東京「《夢路》DREAM ROAD」レポート

ジャン=ミシェル・オトニエルの個展「《夢路》DREAM ROAD」がペロタン東京で開催中

poster for Jean-Michel Othoniel “Dream Road”

ジャン=ミシェル・オトニエル 「《夢路》DREAM ROAD」

六本木、乃木坂エリアにある
ギャラリーペロタン東京にて
10日後終了

In フォトレポート by Art Beat News 2020-09-21

繊細な輝きを放つガラスのオブジェやインスタレーションで知られ、日本ではハラ ミュージアム アークに大型野外作品《Kokoro》が常設展示されている、ジャン=ミシェル・オトニエル。

日本では2012年の原美術館での回顧展以来8年ぶり、ギャラリー展示として初となる個展「《夢路》DREAM ROAD」が9月16日、ペロタン東京で開幕した。

幼少期から花の造形、花が持つシンボルとしての意味が好きだったというオトニエル。1992年にアートフェア参加のため日本を訪れてからは、日本の庭園や花に興味を持ってきたという。これまで30回以上来日を重ねてきたオトニエルが度々訪れてきたのが、湯島天神で行われる文京菊まつりだ。千本咲、大懸崖、盆庭など、様々な見せ方で飾られた菊について「ミニマリズムのインスタレーションを見てるような気分になる」とオトニエルは語る。

会場に並ぶのは、菊の花を模した彫刻作品の「Kiku」シリーズ。オトニエルにとっての菊の魅力は、造形的な美しさのみならず、長寿・若返りといった象徴的意味にもあるという。「あらゆる困難をものともせず咲く花という考え方をとても気に入っています。1年の間でもっとも遅く咲く花のひとつです」。

オトニエルの作品は、ガラス職人らとともにチームで制作されることで、細やかな色彩のニュアンスや繊細な造形がもたらされている。例えば、3つの形のパターンからなる「Kiku」シリーズは、日本文化における「結び」の伝統美を参考にした有機的に結び合うような曲線の造形、若竹色などの色彩、そして、作品自体に作品の一部が写り込み、鑑賞者自体も写り込んでしまうような「罠」が作品を特徴づけている。

また、会場では作品の下地となる水彩のドローイング、そして白と黒からなる大型の絵画作品が展示される。絵画作品は、白金箔の層の上に黒インクで象徴的なイメージが描かれる、書を彷彿とさせるタッチだが、これは花に宿るエネルギーを表現した作品。前述の彫刻との対比も強い印象を残す。

コロナ禍においては、自宅にある作品を眺めることでエネルギーを得ていたというオトニエル。今回の「Kiku」も、50cm程度の比較的コンパクトなサイズも相まって、「親密な関係を築くことができるでしょう」とオトニエルは話す。「現在は世界が特異な状態です。そんななかで、アーティストとしての自分が何をしたいかを考えると、昔から変わらず新しい世界観をみなさんに伝えて、幸福や希望を届けること。アートの喜びを共有する機会は減っていますが、ヴィジョンを共有したりつながりを強化することは続けていきたいです」。

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