アーティストの柳幸典が旅館をリノベーション:京都・すみや亀峰菴がリニューアルオープンへ

創業66年の老舗の旅館をアーティスト・柳幸典がダイナミックに変貌させる

In Art Beat News by Art Beat News 2021-04-02

京都・亀岡市の老舗旅館「すみや亀峰菴(きほうあん)」が、このたびアーティストの柳幸典の手により大規模リニューアルオープンをする。オープン日は4月26日。

これまでジョン・レノンとオノ・ヨーコ、松田優作なども宿泊した「すみや亀峰菴」は、1955年10月に「湯の花温泉」として創業。「古(いにしえ)を新しく楽しむ」という経営姿勢のもと温泉や和の室礼、四季折々の料理など日本の伝統を伝えるとともに、ソムリエを置いた本格的なワインの提供やアーユルヴェーダなど、意外性や新しさを組み合わせることで旅館のあり方を更新してきた。そして今回は首尾一貫した経営姿勢にもとづき、現代アートとのコラボレーションに乗り出すことになった。

老舗旅館に新たな風を吹き込むアーティスト、柳幸典は1959年福岡県生まれ。イエール大学大学院美術学部彫刻科修了。1993年には第45回ヴェネチア・ビエンナーレに選ばれ、アペルト部門を日本人で初めて受賞。以後ニューヨークにスタジオを構え、1996年サンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル)、1997年ビエンナーレ・ド・リヨン(フランス)など多くの国際展に招待される。2000年のホイットニー・バイアニュアルでは、ニューヨーク在住の作家として外国人で初めて出品作家として選出。1995年には「犬島アートプロジェクト」を着想し、2008年には「犬島精錬所美術館」を完成させるなど幅広い活動を展開。ニューヨーク近代美術館やイギリスのテート・ギャラリーなど多くの美術館に作品が収蔵され、ユーモアと社会性を帯びた挑発的作品は常に物議を起こしている。

柳が構想するリノベーションは2期に分けて行われる。まず、2021年4月26日のリニューアルオープンでは200平米のロビー&ギャラリーをお披露目。 設計は、柳とその建築チーム「YANAGI+ART BASE」(協力:広島大学八木研究室)が担い、鉄の素材を大胆に使用するなど柳氏の作品らしさが存分に感じられる内装となる。その後2021年秋に、柳が手がけた犬島精練所美術館(岡山県)における鉄の回廊を想起させるような140平米の特別宿泊室が完成する予定だという。

リノベーションには、柳とともに、左官職人の久住章や陶芸家の石井直人、和紙職人のハタノワタルなど、京丹波に在住する日本屈指の職人たちが携わる。久住が再現する、千利休が建てた国宝の茶室「待庵」における土壁にも注目だ。そのほか常設展示として、ロビーのエントランスには柳とのコラボレーションの象徴として、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を引用した新作《Study for Japanese Art -Hokusai》-が登場。本作は、国旗や紙幣などの砂絵を蟻に掘り崩させる「アント・ファーム」シリーズの一つとして制作されたもの。

アートを展示するだけではなく、旅館の空間そのものを構想し、実際につくりあげるというユニークなアイデアの完成形はいかに? Tokyo Art Beatでは、期待高まるリニューアルオープンの様子もレポートでお届けする予定だ。

すみや亀峰菴
住所:京都府亀岡市稗田野町柿花宮ノ奥25
アクセス:京都駅からHR嵯峨野線亀岡駅下車、車で15分程度
客室数:28室(特別宿泊室完成後は26室)
電話:0771-22-7722
https://www.sumiya.ne.jp/ 

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