公開日:2021年10月12日

和歌山県で開催される「紀南アートウィーク2021」詳細発表。自然と信仰が息づく場所を舞台にアピチャッポン・ウィーラセタクン、一柳慧、長谷川愛らが参加

紀南地域ゆかりのアーティスト、国際的なアーティストが参加

和歌山県紀南地域/牟婁(むろ)郡を舞台としたアートプロジェクトである「紀南アートウィーク2021」が、11月18日〜28日に開催される。「『籠りの文化』と『港の文化』」をテーマに、独自の歴史・文化を持つ様々な場所で、紀南地域ゆかりのアーティスト、国際的なアーティストの作品が展示される。

高野山や熊野古道で知られるとおり、紀南は豊かな自然と古くからの信仰が息づく場だ。また南方熊楠や長沢芦雪といった奇想天外な人物を輩出し、魅了してきた歴史がある。
本プロジェクトの舞台となる「牟婁」の地名には「籠もる」「隠る」「神々の室」という由来があり、豊かな山林資源の中に籠り、内面的な世界を探求することに秀でた歴史的な特色を有しているという。
いっぽうで本州最南端の半島である紀南地域は、「開放性」を特色として、かつて黒潮ともに移民文化を醸成してきた。
このような場の特性から、今回は「『籠りの文化』と『港の文化』」をテーマに掲げる。

発起人・総合プロデューサーの藪本雄登

発起人・総合プロデューサーは藪本雄登。自身も紀南地域出身で、22歳のときにカンボジアで法律事務所を創業、現在は世界18ヶ国で事務所を展開する。アーティスティック・ディレクターは、横浜美術大学学長、森美術館理事等を務める宮津大輔。地域活性化プロデューサーは森重良太。

アピチャッポン・ウィーラセタクン

参加アーティストは、2022年開催の「ドクメンタ15」アーティスティック・ディレクターを務める「ルアンルパ」のアデ・ダルマワン(インドネシア)や、ホー・ツーニェン(シンガポール)、ミン・ウォン(シンガポール)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)といった国際的に活躍するアジア出身のアーティストや、地元ゆかりの現代アーティストらが招聘される。各会場の歴史・文化などの背景を深く掘り下げ、その文脈から導かれるイメージを基にキュレーション、展示を行う。
また、パンダの飼育で知られるアドベンチャーワールドも会場となり、そこでバイオアートやスペキュラティヴ・デザインの手法で動物と人間の関係を探る作品を発表してきたアーティストの長谷川愛が展示を行うなど、場所と作家のケミストリーが期待できる。

長谷川愛
長谷川愛 わたしはイルカを産みたい... 2011-2013

そのほか、紀南とアートのみならず文化、風俗に関する様々なシンポジウムやオンラインでのトークセッション、教育機関や博物館との共同ワークショップなども行われる。
また初年度の運営は民間資金のみで行われ、実行委員長の自己資金を中心に、協賛や寄付なども受付し、行政の予算や補助金に頼らない開催を行うというのも特徴だ。

詳細は公式サイトやSNSで、日英2言語で発信されるため、そちらもチェックしてほしい。

●出展アーティスト
南紀白浜空港(白浜エリア)
一柳慧(日本)

川久ミュージアム/ホテル川久(白浜エリア)
ホー・ツーニェン(シンガポール)
アデ・ダルマワン(インドネシア)
磯村暖(日本)

アドベンチャーワールド(白浜エリア)
長谷川愛(日本)
岸裕真(日本)

白浜駅前 真珠ビル(白浜エリア)
小林健太(日本)
ミン・ウォン(シンガポール)

白浜町内数か所(白浜エリア)
河野愛(日本)

高山寺(田辺エリア)
アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)
前田耕平(日本) *南方熊楠顕彰館でも展示

田辺駅前商店街(田辺エリア)
山内光枝(日本)
Afu(Afzal Shaafiu) (モルディブ共和国)

南方熊楠顕彰館(田辺エリア)
前田耕平(日本)

※展示場所検討中
志村信裕(日本)
ウー・チャンジョン(台湾)

紀南アートウィーク2021
開催期間:2021年11月18日~11月28日(11日間)
時間:各展示会場に準ずる
会場:和歌山県紀南地域 田辺市・白浜町内各所 ※複数個所
入場料:入場無料 ※会場によって別途入場料が必要な場合があり
https://kinan-art.jp/event2021/

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