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Carrying- マイク・エーブルソンのデザインリサーチ

MDS ギャラリー
終了しました

アーティスト

マイク・エーブルソン
「人間に必要なものは3つある。第1に食料。第2に、外部環境から身体を保護するもの、つまり、絶縁体の機能を備える衣服。第3に、家など、身体を守るシェルターとしての空間。そしてさらに、これらすべてを運ぶ『何らかの方法』を獲得すること」
「私たちの周囲には様々なものがある。道具では、コンピュータ、家具、自動車など。さらに僕たちは、鍵、ペン、財布などを持つ。身体に近いところでは衣服があるし、シャツ、パンツ、靴下だってある。もっと身体に近づいてみると、身体に埋め込まれてるものさえある。イヤリング、歯の詰めもの、ペースメーカーなどだ」(エーブルソン)
ステーショナリーやバッグを扱うブランド、「POSTALCO(ポスタルコ)」の生みの親であるマイク・エーブルソンが、同ブランドの製品づくりと平行しながら一貫して続ける、「身体」「動作」「もの」に関する、デザインリサーチ。写真、クリッピング、大小様々なもの の収集など、膨大なリサーチの一部を紹介する展覧会を開催します。
エーブルソンの興味のひとつは、「人は、ものをどう運搬しているのか?」そもそも、人の身体にはいかなる特徴があるのでしょうか。そのうえで、手、足、胴、頭といった身体の各機能を生かしながら、どのようにものを運んでいるのでしょうか。
「身体は完全ではないが、それだけに様々な工夫を凝らしながら人はものを運んでいる。古今東西、その手法が共通しているのも興味深い点」と、エーブルソンは言います。一方、世の中の品々では、こうした身体が、どのようにふまえられているのでしょう。デザインの作業には、デザイナー個人の問題意識や探求心が不可欠です。また、デザインとは、常に社会との関わりのうえで成立するもの。周囲に目を向け、思考する作業は、デザインの大切なプロセスです。ただ時代のスタイルを追いかけるのではなく、ただ表層の形状を考えるのでなく、「人のためのもの」を、身体や行動、人の心理にまで立ち戻り、考える作業が、今日、デザイン活動を行うにあたり改めで求められているのです。私たちに「デザイン」の意味を改めて考えさせてくれるエーブルソンの活動。本展が、デザインの意味を改めて考える機会となれば幸いです。
会場には様々なもの、写真、資料が集められ、エーブルソンのリサーチルームのようなインスタレーションとなる予定です。本展のために、来場者に手にとってもらう「Carrying」のオブジェも展示します。
[写真: Yukio Shimizu]

スケジュール

2005年9月30日(金)〜2005年11月3日(木)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場MDS ギャラリー
住所〒151-0065 東京都渋谷区大山町36-18
アクセス小田急線・東京メトロ千代田線代々木上原駅より徒歩8分
電話番号03-3481-6711