小松恵之展「ひとりにしないで」

巷房 (2)

終了しました

アーティスト

小松恵之

小松恵之（こまつ・やすゆき）の作品は、パフォーマンスを記録したドキュメンタリー性の強いユニークなビデオ作品です。今回の作品は、立川で行われた、塩を揉み込んで邪気を祓う「モンデ・シ・オモーミ」（50min）と、野村たけしというパフォーマのリハーサルを記録した「リハーサル」（10min）の2本です。「モンデ・シ・オモーミ」は、6人の参加者が、塩を積んだ台車を押して立川を巡り、邪気を放つものを塩で揉み、最後にお酒で清めていくという一方的なボランティア活動です。立川といえば、現代美術の作品が点在するファーレ立川。悪い予感は的中します。最初に邪気を祓われるのは、哀れなマルティン・キッペンベルガーの作品です。粗大ゴミや建物なども、次々と塩揉みされていきます。塩を入れた容器の下部には、米や野菜、肉や魚などが詰め込まれ、活動終了後に食べる予定だとか。途中、肉を切るための包丁を買いに、台車に乗ったまま、スーパーに買い物に向かいます。障害者が車椅子で街中を走行することの困難が、突き抜けた明るさと共に提示されます。一方、「モンデ・シ・オモーミ」でも中心的役割を果たした野村たけしの舞台は、傍らに立つ男の不条理な命令を次々とこなしていくというもの。一見して「いじめ」とわかる構図なのですが、野村の、そうしたことなど意に介すことなくつき従う奇妙な明るさが、「いじめ」というものに対して人々が抱いている固定観念を揺さぶります。

スケジュール

2005年1月31日(月)〜2005年2月5日(土)