ファッズ アートスペース作品のモチーフの選び方にはたいした意味はない。佐々木はそう言い切る。たとえば
今回出品予定の作品の一つに巨大な靴の絵がある。どうやらその靴は佐々木が雑誌を観ながら所有欲をかきたてられた一品らしい。他にも肉が食べたいから肉を描くとか、引っ越しでしまいこむ前に大事な花瓶を描いたりとか、そんなエピソードを彼はいつもぬけぬけと語る。しかし不思議な事に作品をみているとなんらかのモチーフを描く事に必要には固執しているようにも見える。つまりモチーフ選びに意味を求めてはいないが、モチーフを描くというスタンスには執着しているのようなのだ。ページをめくりながらその前後の話題になんら一 貫性もないニュースのダイジェストを視線で追いかけるように、その時々で彼の目に留まったシーンを捉えてはまた次のシーンを探す。そうして選びだされた 表面は画面の中で独自のデフォルメと色彩に歪曲され一人歩きをし始める。これは絵を描くことのひとつの醍醐味かもしれないと再認識さ
せられる思いである。
まだコメントはありません