unseal contemporary橋口は、自らをイラストレーターと名乗っていますが、その枠を大きくはみ出すインパクトある作品を制作しています。一貫して、動物、昆虫、爬虫類など野生の生物を花々とともに細密に線描し、それぞれの生物は大きくデフォルメされています。そして、ディフォルメの仕方にこの作家の特質があり、よくあるように直接的に生物のフォルムから、あるいはその印象(抽象的なもの)から入るのではなく、作家が感受する、その内部から湧き出てくる野生の力をいったん分析的に分解した上で、フォルムへと再構成するような方法によっています。その結果、具象でも抽象でもない、内部的でも外部的でもない魔術的な臨在感を持つ生物たちが生み出されています。どこにも存在しない、いわば橋口的生物ワールドです。
現在の作品は、個別の生物たちだけが描かれていますが、その魔術的なパワーを感じると、複数の生物たちが一つの空間に存在する場合や、あるいは同じ手法で人間たちが描かれたらどうなるだろうかと、つい想像したくなります。作家はすでにGEISAIで二度スカウト賞を受賞していますが、今回は東京での本格的な初個展となります。まずじっくりとご覧いただき、その魔術的パワーを感じていただけたらと思います。
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