アオキ タカハシ ナカジマ展
ギャルリー・ジュイエ
Reviews
タカハシカオリのすばらしい一連の作品が私に考えさせたこと。まず、あなたは20代?30代?40代?彼女が作る20代のフィギュアの人物設定はとてもリアルで、そのリアルさがもしかするとコンテンポラリーすぎるかもしれない。すぎるというのは、もはや、このリアルさを共有できるのは限られた世代の人々だけなのではないのか?という不安すら生まれたから。よく、島国の日本の社会、日本のアートは特殊であり、であるがゆえに価値がある場合も、価値が見出されない場合もあるということを言われてきた。しかし、情報伝達速度が極端に早くなり、そして経済的条件が似通い始めてきた先進諸国において、世代間の違いのほうが、国籍の違いを完全に凌駕しはじめているのではないだろうか。もちろんそこに程度の差は存在する。しかし、学校を卒業して、パートタイムの仕事につき、ヘッドフォンを耳にあてて、“たった” 5,6年前を振り返るフィギュア4人は、日本だけでなく、先進諸国の多くの若者の、内実、あるいは内実のどこか一部をピンポイントで突いているコンテンポラリー(同時代的)な一線を感じさせた。つい先日、フランスではそれが社会的に健在化したようだが。