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山下昭 「ゆめの腕(かいな)に」

ニコンプラザ東京
終了しました

アーティスト

山下昭
第12回酒田市土門拳文化賞受賞作品展。作者の10歳年上の兄・正辰は、昭和20年5月25日、太平洋戦争末期の沖縄海域作戦で特攻隊員の一員として戦死した。残された母は、戦後60年間遺骨の返らぬ兄の帰りを待っていたが、平成17年5月2日死去した。
作者の母は40歳頃から四国八十八ヵ所の巡礼の旅を65回繰り返した。作者はこの母の姿を垣間見ながら、ひたすら基礎医学の研究に没頭し、あえてこの戦争の深い傷痕を忘れようとした。しかし4年前に母が脳梗塞で倒れたのをきっかけに、作者のこの写真撮影の旅が本格的に始まった。
「もう過ちは決して繰り返しませんから、安らかにお眠りください……」と祈念するよりも、「安らかに眠らないでください。再び私たちは過ちを繰り返すかもしれませんから……」と自問することこそ、戦死者に対する生き残った者の務めであることを自覚した。
作者は弟の立場から、一人の特攻隊員が青春をどのように生き、死んでいったかを、そして残された母親がどのように戦後を生きたかを、写真の原点は記録性に始まることに立脚して、カメラの目を通して映像化した。
郷里宇和島をはじめ、四国の各地、鹿児島、知覧、大分、沖縄など、兄や母が歩いた足跡を求めて撮影した。
題名“ゆめの腕に”は、兄が残した遺書の中で詠われた歌「父や母よも散りしとは思ふまじ みたまかえるかゆめの腕に」から選んだ。18歳の兄は、母の温かい腕の中にもう一度帰りたいと切に願っていたに違いない。
この一連の写真は、特攻死した作者の兄と、戦後60年間待ちつづけ、昨年他界した母へ捧げる作者の鎮魂のフォトメッセージである。

スケジュール

2006年5月16日(火)〜2006年5月29日(月)

開館情報

時間
10:3018:30
最終日は15:00まで
休館日
日曜日
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2006/05_shinjyuku-3.htm
会場ニコンプラザ東京
https://www.nikon-image.com/support/showroom/tokyo/event.html
住所〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28F ニコンプラザ新宿内
アクセスJR新宿駅西口より徒歩10分
電話番号03-3344-0565
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