ギャラリー新居 東京印刷物を周到に針でほぐす作業を通して、現代という時代の曖昧さを“カタチ”にする韓国の美術家、Lee Ji-Hyun(イー・ジヒョン)。ほぐす対象は韓国語で記された日本の教科書、地図、雑誌、楽譜、そして聖書。引っ掻いてほぐされたそれらの書物は、もはや意味や内容を伝えるメディアとしての使命を失うと同時に、その強烈なカタチが現代人を取り巻く曖昧で不透明な状況を見せつける。紙面をほぐすための針は自分で作り、紙質や伝えたいメッセージに合わせて太い針、細い針を使い分けている。最善の注意を払って、あやすように紙面をほぐしていく地道な作業を、作家は「自身のアイデンティティーを掘り起こす作業」と呼んでいる。とはいえ、書物とは一線を画したふわふわとしたカタチに目を奪われてしまうのは、私たちの中にある何かとリンクしているからかもしれない。
今回の展覧会では、近年より継続して制作しているこの「book-pluck off」シリーズを中心に約40点出品予定。また賛助出品で陶芸家 金 正郁さんの<ブックエンドとしてのオブジェ>も併せて展示致します。
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