「ルオーとグロテスク」展
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パナソニック電工 汐留ミュージアム | ルオーギャラリーにて
メディア: 絵画
地下室で生まれた自らを「カタコンベの画家」と呼んだルオーにとって、イタリア語のグロッタgrotta(洞窟)に由来するグロテスクgrotesqueほどふさわしい言葉はないのかもしれません。一般に奇怪、異様、不気味といった否定的なニュアンスで語られることの多いグロテスク。しかし別名「デマゴジー」(大衆迎合、衆愚政治)とも題されたルオーの「グロテスクな人物たち」を見ればわかるように、表層的な諧謔(かいぎゃく)の裏面には辛辣な諷刺の毒が隠されていることも事実です。
ルオーは醜悪な娼婦、傲慢な裁判官、善良なユビュ、苦笑する道化師、哺吟(しんぎん)するキリストなどの主題をカリカチュアにも似た的確な描線と簡潔な構図で描くことで、グロテスクの正体である「滑稽と恐怖」、「善と悪」、「美と醜」、「聖と俗」、といったアンビバレントな感情を見事に造形化しています。戯画化されたルオーの人物たちを眺めていると、最初は隣人を、最後には自分自身をそこに発見し、私たちは愕然とします。描かれた人々の不気味な笑いが含むしたたかな批判機能こそグロテスクの真骨頂と言えるのではないでしょうか。
スケジュール
2007年05月26日 ~ 2007年08月19日


