西澤千晴 「For beautiful human life」

東京画廊+BTAP

poster for 西澤千晴 「For beautiful human life」

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この度、東京画廊では西澤千晴による個展「For beautiful human life」を開催いたします。日本では二年ぶりとなる今回の個展では、新作約十点が展示されます。

西澤千晴は、東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業後、版画を媒体とした制作活動を続けていましたが、「思ったことをより早く形にしたい」と考え、絵画へ移行しました。トレーシングペーパーに鉛筆で構図を配し、それをテープでマスキングしたキャンバスに転写し、モチーフ一つ一つを切り抜いたところにアクリル絵具を塗り重ねるという手法を用います。このようにして描かれるモチーフは、平坦で現実味のない背景に、独特なエッジがくっきりと浮かび上がっています。

1970年生まれの西澤は、戦後日本の高度経済成長を築いた団塊世代の欲望や物に対する執着心といった既存の価値観をいつの間にか受け継いでしまっていた団塊ジュニアにあたります。わかりやすい豊かさの象徴としてのグルメな料理に始まり、次に高級車、そして目指すは豪邸というように、物欲が肥大化していく心のありようを描いた作品が「ドリーミー・ファーム」シリーズです。ここでは、エンドレスな欲望が私たちの心を本当に満たしているのだろうか?そんな問いを、西澤は自分も当事者であることを認識したうえで投げかけています。

また「地を這うものに翼はいらぬ」シリーズでは、そのほとんどが平凡で退屈かもしれない日常を生きる人々と、そうした退屈な日常からの解放の象徴としての鳥がグレーの影としと描かれています。人は生きていく上でネガティブな要素と付き合わざるをえませんが、西澤は一時流行ったような「本当の自分」は別のところにいると思うことで、安直に現実から目をそらす風潮に疑問を感じています。ただの幻想にしかすぎないかもしれない、お手軽な解決方法を追い求める、地に足のつかない生き方よりも、むしろ日々つきまとうネガティブな要素と向き合っていく、そういう生き方を肯定したいという作者の思いが込められています。

For beautiful human lifeのために頑張っているはずの人間は、次から次へと物質的豊かさを追求していくことで、結局自らの首をしめているのではないかという思いを、西澤はユーモアと皮肉を交えて表現します。と同時に、西澤の作品に頻繁に登場する、一見画一的に描かれながらも、実際は一人一人が画面の中を自由に動き回っているおじさんやおばさん達を通して、人間がそもそも持っているはずの独自性に対する西澤の希望が感じられるような気がいたします。

スタインウェイ・ジャパンとのコラボレーションや、中国、韓国、ドイツでの展覧会と海外での活躍が続く西澤千晴の新作を、この機会にぜひご高覧ください。皆様のご来廊を心よりお待ちしております。

オープニング・レセプション:7月18日(水)
オープニング・イベント:ジャズ・パフォーマンス 18:00-20:00

メディア

スケジュール

2007年07月18日 ~ 2007年09月01日

アーティスト

西澤千晴

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Reviews

Ashley Rawlings tablog review

Chiharu Nishizawa "For beautiful human life" Opening

The opening of Nishizawa Chiharu's solo exhibition at Tokyo Gallery was full of people, milling around like the figures in his paintings. The centrepiece is a Steinway piano that he painted, and pianist Ryuji Osaki played away all evening.

Ashley Rawlings tablog review

西澤千晴 「For beautiful human life」のオープニング

東京画廊での西澤千晴の個展オープニング。たくさんのお客さんが画廊内を歩いている様子はさながら西澤さんの絵のモチーフのよう。展示の中心は西澤がペイントしたスタインウェイ・ピアノ。夜通し、ピアニストの大崎龍治さんが演奏していました。

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