ラディウムーレントゲンヴェルケカンノサカン(1970-)は、キャンバスにウレタン塗装を施した、磨き上げられた車体の様な表面に、アクリル絵具で緻密に描かれる抽象画で知られています。日々大量のドローイングを描き続けるカンノの手技と感覚は、近年さらに進化をとげ深みを増してきました。作品において最も象徴的な「自由な曲線」は、ジャズベーシストとしての音楽的な経験から学んだインプロヴィゼーション観と、創造に対する独自の哲学に基づき、一切の下描きを経ずに描かれています。その緻密で微視的な一筆一筆の集積はやがて全体となり、光沢を放つ背景の深度と相まって美しい絵画空間を表出させるのです。
本展では、国内初発表となる黒を背景色に用いた新作を展示いたします。漆黒を思わせる新作の背景は、これまでのカンノの代表作にみられる赤や白などの背景色よりも図象をさらにシャープに細部まで浮かび上がらせ、カンノの意図する質感による奥行きと浮揚感がより強調されています。
オープニングパーティ: 6月1日 19:00-
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