本展で発表される最新作の映像作品「THE APPLE AND..」は往年の無声映画を模して撮影されていながら、作家特有のユーモアと奇抜なストーリー展開でめまぐるしく展開していきます。ここにもやはりステレオタイプなイメージが多用され、過剰な演出やインスタレーションと相まって、見る者の記憶にある所謂コメディータッチの無声映画の漠然としたイメージを喚起し「ありそうでなかった」けれども「共感できる」効果を生み出しています。また滞在期間中に制作された、食品サンプルと黒髪の女性を題材とした写真作品や醤油差しを使った彫刻作品、ドローイング十数点など、全て最新作によるバラエティーに富んだ内容の展覧会となっております。そして本展覧会と同時開催の森美術館「笑い展」においても、食品サンプルを用いた立体作品及び写真作品を出品しております。