足利市立美術館生命が軽んじられる世の中です。「生」の尊さを見直すことが叫ばれています。人は何故に存在するのか、必ず訪れる死といかに向かい合い、私たちは限りある生をどのようにして生きるべきか。人の生命があたかも物のように扱われる事件や紛争が日常のものとなった現在にあってこそ、この問いは、私たちにとって大きな意味を持つように思われてなりません。そして、古今の芸術家の眼も、人の「生」に向けられてきました。芸術は、そこに触れる人々の生命力を呼び起こすことが出来るだろうか。これは、表現者が心の内で反芻する普遍の問いではないでしょうか。
思うに、芸術家自身が不可避の死に正面から向かい合い、限りあるからこそ輝きを放つ人の「生」を作品というかたちで表したいという欲求が、創作の動機の根本にあり、時代や文化背景に応じて移り変わる、様々な芸術の思想や技法をもとに、無数の「生」の姿が生み出されてきたといえます。こうして作品に込められた「生」の輝きに触発されることで、私たちも、日常の中では見失いがちな、自身の内にもある「生」の力をしばし思い出すことが出来るのです。
青野文昭、タカユキオバナ、山本基の作品は「死」という永遠のテーマに取り組み、そこから「生」の力や輝きを導き出そうとしている点では、共通した思想を内に宿しているといえます。それぞれの表現の奥深くに踏み込み、その思想に触れることで、私たち自身の意識の内にも潜在する「生」の力が呼び起こされ、それは、より良く生きるためのきっかけにもなるでしょう。
タカユキオバナ ワークショップ 「ない」の受肉
2008年6月7日(土) 13:30~16:00 (参加費300円・定員先着30名)
道端で採集したものを一つの作品に仕上げていくワークショップ。
小学校低学年以下のお子さんがご参加の場合、保護者の同伴をお願いいたします。
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