今秋、display が新しくスタートさせる展覧シリーズ、それが「display Art Project」です。第 1 回目にご紹介するのは、アメリカ在住のアーティスト、ディアナ・トンプソンです。世界中のキュレーターの中でも、彼女をキャッチアップしている人は非常に少ないものの、玄人たちの目を釘付けにする魅力的な作品を次々に発表しています。
トンプソンは 1958 年、米カリフォルニア生まれ。80 年、カリフォルニア州立大で BA を取得し卒業後、ロサンゼルス郊外へと移り住み、現在はジョシュアツリー国立公園内の村で創作に打ち込んでいます。ほとんどカリフォルニアを離れたことがないほど、ずっと砂漠地帯にある家で創作に没頭。実生活の日常や、砂漠の風景などを、オーソドックスな柔らかいタッチの油彩に仕上げています。モチーフはソファや水筒、バケツなど雑多なものばかりですが、彼女の手にかかると、アメリカ中部特有の乾いた風が顕在化し、デヴィッド・ホックニーのプールのように、愛おしいまでのフェティッシュ感が溢れてきます。オルタナ系ミュージシャンの CD ジャケットのようでもあり、インテリアとしても好適なアートであることも見逃すべきではないでしょう。
非常にローカルかつユニークなアーティストであるトンプソンの作品に出会い、深く惚れ込んだキュレーター、ジェリー・ソーンの推薦により、「display Art Project」の中で紹介されることになりました。B6 サイズ大の油彩、約 10 点ほどが展示されます。