アート・バイ・ゼロックス ギャラリー菱山裕子さんが作るアルミ・メッシュの人物たちは、ユーモラスであったり、また悲しげであったり、人間のさまざまな感情を伝えてくれる。太い眉や分厚い唇といった特徴は共通していても、それぞれの作品は実に多彩で複雑な心理的ニュアンスに彩られている。
作品のタイトルについて菱山さんは、「他の人が見てくださったときに、先入観を与えてしまう」ために、作品を区別するだけの単純なタイトルをつけるという。菱山さんは自分の作品を「この人」とか「あの人」というように、まるで人間に対するように呼ぶのだが、これは、作品のテーマが「‘ひと’そのもの」をめぐる問い掛けにあることの証だろう。肖像でもなく、人形でもなく、菱山裕子さんの「ひと」は、それ自身生身の感情をもったものとして存在しているようにみえる。
今回の展覧会では、菱山さんは平面作品を発表するという。平面から立体を作り上げる彼女が作る平面的な作品には、反射と透過という光の問題がよりシンプルに現われてくるはずだ。反射と透過の痕跡を記録した平面のなかで、菱山さんの「ひと」たちがどのような表情を見せてくれるか楽しみである。
10月25日(土)15:00~16:00に菱山裕子氏によるアーティストトーク
先着30名様、申し込みはHPまで。
まだコメントはありません