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「よみがえる黄金文明」展

大丸ミュージアム・東京
終了しました
「(トラキア王の)身につけてきた物の具は黄金造りで途方もなく大きく、見ればたまげるばかり。このような物の具は人間が身につけるべきではなく不死なる神々にこそ似つかわしい」 ホメロス『イリアス』松平千秋訳 岩波文庫より

2004年8月、ブルガリアで発見された「トラキア王の黄金のマスク」は、世界的に有名な「バラの谷」の中心都市カザンルク(周辺は特に「トラキア王の谷」と呼ばれることがある)のスヴェティツァ墳丘墓から出土し、その遺宝は紀元前5世紀後半頃のものと推測されました。重さ672gにも及ぶ金を用いた豪華なマスクは世界でも類をみないもので、驚くべきことに、文明発祥の地といわれるエジプト王朝が確立するよりはるか昔、今からおよそ6000年以上前のヨーロッパ南東部バルカン半島には黄金文明が存在したのことになるのです。この発見は古代トラキア人の世界に、はるかに鮮明な光明をもたらすこととなり、謎に満ちたトラキア文明の名を世界にとどろかせました。

トラキア(現在のブルガリアの大部分を占める地域)は金採掘・採取とその利用に関して長い歴史を持ちます。1972年土木工事作業をきっかけに出土した金製品は「世界最古の黄金文明」として、トラキア文明以前の先史文化が最も繁栄した紀元前5千年半ばから後半のものであることが判明しています。

トラキア人は古代ギリシア文字を用いて王名や地名を記したごく断片的記録を除いては自らの記録を残しませんでした。彼らは文字を持たなかったゆえ、文献が少なく長い間その実像は謎に包まれてきました。トラキア人の歴史を解明するには、ホメロス(紀元前8世紀ごろの古代ギリシアの詩人)が記した文献資料、出土品などをはじめ、考古学資料などをもとに、その実像を復元しなければならないのです。

副葬品にこれほどまでの黄金を惜しげもなく用いたトラキア人とはいったいどのような民族であったのか。本展では2005年夏に発見された「黄金の花冠」、2004年に発見された「トラキア王の黄金マスク」などソフィア考古学博物館を中心としたブルガリア国立博物館群より出品される、トラキア人が隆盛を誇った紀元前5世紀~前3世紀初頭の遺宝を中心に、日本初公開作品を含むトラキアの秘宝170点をとおして、その謎に迫っていきます。

スケジュール

2009年1月29日(木)〜2009年2月15日(日)

開館情報

時間
10:0020:00
休館日
最終日は17:30まで
備考
会期中の木・金曜日は午後8時30分まで(午後9時閉場)
入場料一般 1200円、大高生 1000円、中小生 700円、小学生未満無料
展覧会URLhttp://www.daimaru.co.jp/museum/tokyo/torakia.html
会場大丸ミュージアム・東京
http://www.daimaru.co.jp/museum/index.html
住所〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店12F
アクセスJR東京駅八重洲中央口すぐ
電話番号03-3212-8011
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