「武蔵野美術大学80周年記念: 変成態 -リアルな現代の物質性- 展 vol.2 揺れ動く物性」展

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ここでは現代の造形の根幹となっている、物質観の変容について考えようとするものである。高度に情報化し、非物質的な映像環境に取り巻かれる中、作家の物との対し方も大きく変化してきているのは明らかであろう。そして、かつての物質的な想像力、物とイメージとの摩擦とも異なる、近年の新たな造形に焦点を据えようとするものである。

かつて日本の造形は物への依存、あるいは物の論理に沿った自然への一体感から作られ、汎神論的な心性もあって、近代においても日本特有のオブジェ的な志向を力とすることともなった。しかし現代においては、かつてのオブジェ的な面影を引きずっていた造形から、一挙に張りぼての造形に転位しているようにも思われる。それは素材から来る、物の生成の論理というものから、あえてずらしていこうとする態度でもあろう。しかしそれでも視覚的な触覚性はいまだに保たれていて、また彼らは物そのものを充分扱ってもいる。ただその時に作家はフェティッシュな自愛に向かうことなく、物に対してある距離感を保っている。日常品も世界に対する時の一つのフィルターであろう。物との近くて遠い感覚の中でこれまでとは異なる変成態が生成されようとしているのだ。それはかつての「類彫刻」ならぬ、新たな「のようなもの」でもあろう。現実の物質を徹底して扱いながらも、深度の方向ではなく、横滑りに他の回路を穿ち接合していこうとするような様。物はそこに確かに在りながらもことごとく急速に変転し逃れ去って行く。それは中心性を持たずに連結し、他の領域に開き、固定した意味から逃れようとする、ドゥルーズらの「現代思想」の姿を想起させるだろう。むしろ様々の物ものが不断に変転していく、そのような横ざまに動く局所。それは物の実体の無いままに被膜のみで成り立っている薄さで、そこでは反転することすらたやすいだろう。それは流出的で常に変成していく、一つの可能態なのである。

以上のような造形の特質を持つ、10作家の新作を主とした展観を予定している。

天野一夫

会期: 2009年5月9日(土)〜2010年3月20日(土)
*作家10名の個展または二人展を8期に分けて開催します。

[画像: 「four color sponges」 (2007) スポンジ 69x60x60cm 撮影:柳場大 (C)Motohiro Tomii]

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スケジュール

2009年06月13日 ~ 2009年07月18日

アーティスト

冨井大裕中西信洋

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