GALLERY SPEAK FORアリシア・ベイ=ローレルは1949年、整形外科医の父と彫刻家の母の間に生まれました。母親の影響でボヘミアンな生き方に憧れていた彼女は、高校卒業後、ヒッチハイクの旅に出ます。そうしてたどり着いたのが、カリフォルニアの北部にあるウィラーズランチ、いわゆるコミューンでした。
当時、ランチには100人ほどの自由人が、畑を作り、牛や馬を飼って生活していました。電気も水道もない森のなか、それぞれがやりたいこと、やるべきことをしながらの暮らし。右も左も分からない彼女は、少しずつそこでの生活を覚えてゆきます。そして、ランチでの自分の役割を見つけます。それは、得意の絵と文章で、自然のなかで生きる手引き書をつくること。そうしてできあがったのが1970年の名著「地球の上に生きる」です。
野外での飲み水の集め方や食糧の貯蔵法、せっけんの作り方や薬草の利用法、友達を空へ送る方法や自宅出産……。「地球の上に生きる」には、人が自然のなかで暮らしていくための叡智が詰まっています。この小さな森の生活手引き書は、ヒッピーのバイブル「WHOLE EARTH CATALOG」を創刊したスチュワート・ブランドの目に留まり、たちまち大ヒット。以来、アリシアはアーティスト、ミュージシャンとして独特な活動を続けており、近年のエコムーヴメントの中で熱く再評価されているところです。
本展では「地球の上に生きる」の原画を展示する他、昨年両親を同じ日に亡くすという不思議な体験をした彼女が、大切な人たちの死をテーマに描いた新作ドローイング「Beyond living」を日本初公開します。また本展に際し、作家本人が来日する予定です。
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