内海聖史 「色彩のこと」

スパイラル

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内海は1977年、茨城生まれ。30代前半の若さながら、個展、グループ展をあわせると60本を超える展覧会を経験しています。公立美術館での展覧会経験も多く、昨年は静岡県立美術館、また、東京都現代美術館のグループ展においても、いかんなくその実力を発揮した作品群を発表し、870点組という驚異的なペインティング「三千世界」は東京都現代美術館の収蔵ともなりました。抽象絵画家としては既に若手から中堅の域に達しつつある、優れたアーティストです。

その作品を形作るのは単純な無数のドットです。基本的に直径40ミリ程度のそれぞれは、注視すると筆を縦だけに動かす事で描かれている事がわかります。筆先の念入りな加工と、1センチと動かないであろう一筆ながら、正確に同じ円形を延々と描き続けるその丁寧さと根気は、美しい絵画を描きたいという強固な欲求に裏付けられています。
一方で内海は「絵の美しさは絵具の美しさ」と語り、絵具を選び、重ね、並べる事によって、その深みを引き出しています。単純にして最小限、そして正確無比な筆の運びと、欲求に忠実に繰り返される色の選択と重層と並立。内海の造りだす色彩の裏には、絵画への偏愛とも言うべき欲望を具現しようとする頑強な意志が隠されているのです。

また、絵画はその画面だけではなく、それを見るための空間をも含むと言う内海は、展示方法にも偏執的なまでのこだわりを見せます。彼は作品制作の前段階から、画廊空間を徹底的に調査し、計測し、完成した作品が鑑賞者の前にいかに現れ、その作品といかに出会うかという事に、実際に筆を走らせる作業と同等とも思える注意を払います。インスタレーション作品とは異なるアプローチながら、絵画によって構築された空間は、観客に対してその描かれた絵画以上のエネルギーを放出します。

2004年、内海は、下北沢の閑静な住宅街に隠れ家のように存在した画廊、MACAギャラリーにおける個展に於いて、高さ3.8m、幅17mという、巨大なペインティング「色彩の下」を発表しました。8ヶ月間にわたる苦闘の末に生まれたこの作品は、現在のところ彼の代表作とも言えるものです。大型のペインティングの多い内海の作品群中でも最大であるこの「色彩の下」は、その展示の困難さにも関わらず、当初のMACAギャラリーでの発表後も、大阪アートコートギャラリーや、東京都現代美術館で展示され、賞賛を浴びてきました。

今回の個展「色彩のこと」は、スパイラルの象徴とも言うべき円形の空間、アトリウムに観客を取り囲むように据えられたこの巨大なペインティング「色彩の下」、さらにすらりと伸びるギャラリーに、グラデーションを取り込んだ新しい展示展開による本年発表の「十方視野」シリーズを組み合わせて開催します。

メディア

スケジュール

2009年06月30日 ~ 2009年07月12日

オープニングパーティー 2009年06月30日18:00 から

アーティスト

内海聖史

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