Art Statements で現在開催されている、日本での初の個展となる展覧会では、「 デヴァロカ」というテーマに基づいた不朽の作品を数点取り上げている。インドの宗教では、デヴァロカとは神の住む場所を指す。全てのものがそこで創造され、また全てのものがそこへ戻る、という場所である。 このテーマの下、天野喜孝はアルミニウムの上に、画面の外へ逃げようとする神秘的な生き物を画面いっぱいに描いた、目を見張るような作品が何点も並んでいる。観客は、まず作品の大きさに圧倒され、次にそれらが詳細に描かれていることに気付き、そしてつるつるの表面の材質感や天野氏の技術に感嘆する。これらの作品の前に立つと、新しい発見や隠れたキャラクターを見つけながら何時間も眺めていられる。そうすることで、作品に描かれた場面を何度も何度も読み返すことだろう。