GALLERY SPEAK FOR繊細で伸びやかな筆致と、大胆で意外感のある構図や配色。ポップでありながらそれと表裏の闇を示唆し、暗いモチーフの中にも救いの光を差し込む、そんな複雑な深みのある空想空間が松尾たいこ氏の絵の比類なき美しさを奏でています。その、見るものの心に長く残る豊かな物語性が、数々の人気作家たちとの共鳴関係をつくり、先ごろ角田光代氏が、松尾氏の絵をモチーフにした短編小説集「なくしたものたちの国」を発表するに至っています。
本展はタイトルの通り、彼女にとって初めて、犬を描いた作品を集めた展覧会として企画されたものです。松尾氏は「小説すばる」の表紙絵を2006年11月号から現在まで描き続けており、犬を毎回の題材としてきました。人間全てにとってそうであるように、松尾氏にとっても犬たちは大切なパートナー。作品世界でもしばしば重要な存在として登場しています。ある時は人に擬せられた主役、ある時は風景のつぶやきに替えた暗示として登場し、その絵から滋味あふれる語りかけをしてくれます。
今回は、それら「小説すばる」の表紙シリーズから自薦による原画を20点あまり展示。また、彼女が最近ツイッターで始めたペン画やマーカー画による日記連載からも、犬に関するものをチョイスし、この機会に合わせて公開いたします。会場では原画の他、関連する雑貨や本、カレンダーなども取り揃えて販売いたします。
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