アーカススタジオ橋本聡は、2007年よりアーカス・スタジオをしばしば訪れ、作品を設置してきた。いま「作品」を「設置」と書いたが、そこに置かれた「モノ」が作品なのか、その設置という「行為」が作品なのかは判別しがたい。もう一つ言うと、彼の「モノ」と「行為」は往々にして、それより前の展覧会からの流用であり、未来の展覧会へと繋がっていく。だが、それらは常に誤配され、どこか間違ったやり方で再登場している。もっと言うと、彼の「モノ」と「行為」は展覧会という時間的・空間的な制約の外に広がる日常とも繋がっている。あるいは、そこに切断が見いだせない。だからといって日常生活をそのまま展示空間に持ち込んでいるわけでも、芸術作品や芸術行為をそのまま日常空間で展開しているわけでもない。僕が思うに、彼はアートをめぐる新しいエコノミーを作り出そうとしている。それは人間のエコノミーというよりは、幽霊のそれのようなものだ。制作、展示、鑑賞、記録、保存、売買といった作品をめぐる経済的かつ美学的な分業体制の意図的な攪拌と、非意図的な攪乱。あるいは、見ることの価値を棄却することで発生する、見てしまうものへの恐怖と欲望について。
今回は、橋本聡がアーカス・スタジオの4教室およびその外部を使用して行う大規模な個展となる。是非、ふらりと、展覧会にくるつもりではない気持ちで、幽霊のように来場してほしい。
パフォーマンス:4月3日(土)、4月24日(土)、5月30日(日)
[画像: FLOWER (2008) performer, visitors, high heels, stockings, books, wood, and other works]
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