Gallery Momo Ryogoku永山真策は1974年長崎県生まれ、現在長崎にスタジオを構え制作を続けています。一昨年の switch point での個展で、確かな描写力に裏付けられた、後ろ姿を描いた女性像により多くの人を惹きつけ、一躍注目を浴びるところとなりました。
バスに乗って一番後ろの席に座ると、無言の人々の背中を見ることができます。その姿は隣の人と目線を合わせることも語り合うこともなく終点まで続き、そうした動きのない背中を見ていると奇妙な感覚に襲われ、それぞれの背中に断絶した人間関係と孤独感を感じ、それは思いも直さず自分自身の思いだったと気付きます。彼が人物の後ろ姿を描いたのは、そうした誰にでもありそうな体験がもとになっています。デンマークの画家ハンマースホイは、室内での奥さんの後ろ姿を描きますが、永山さんの描く女性の後ろ姿の背景はモノトーンに彩色され、どこの誰とも限定されません。もしかすると男性でも良かったのかも知れませんが、その姿を女性に投影したのは作家自身の美意識に他なりませんし、ストレートに関心がそこに向かうことをも企図しています。
背景の暗さは困難なこの時代の状況を映していますが、具体的な背景を描かず顔を見せないことでモチーフに匿名性を持たせ、コミュニケーションの断絶を伺わせます。しかし明るめの模様を施す衣服を纏わせることで、拒絶しながらも見て欲しい、あるいは関心を持ってほしいという、現代人の持つ自己矛盾をも表わしています。
新作を中心に約 10 点の作品を展示致します。
[画像:「portrait 24」2009, Oil on canvas, 910 × 727mm]
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