池田歩展

ギャラリー椿 / GT2

終了しました

アーティスト

池田歩

池田歩は1964年群馬県に生まれ武蔵野美術大学、英国ロンドンチェルシー美術大学大学院で学びました。
今回の個展は「飛行機雲」の連作になります。前回2年前の個展は風景の中の「爆発」がテーマでした。それはとても静謐なタッチの風景の中に突然爆発そのものが描かれているものでした。今回の飛行機雲の連作は、すべて夕暮れもしくは暁の空を切り裂くような飛行機と飛行機雲が描かれています。

見たことがあるようでいて、実は見たことがないフィクションの風景です。それは池田さんが想像した理想の飛行機雲なのですが、粘土で実物を作り着彩し、写真をとったものを描写しているのです。想像上の飛行機雲ですが、あくまで現実に実物をつくったものを描写するという、視点を何度もいれかえて作られています。池田さんは常に生活している日常の中で、現実的な、具象的なものの中に絵画的抽象を見出すことを意識しています。日常のなかに突然ハッとするような非日常がある、そんな場面に直面した場合、自分の視点、思考を一回疑ってみるという面白さがあります。

「考える」ことを面白がる、それは「絵画を描く」そして「みせる」という行為自体の意義を追求している池田さんのテーマでしょう。日常と非日常、現実と虚構、具象と抽象、池田さんの作品はそれらを対比させているのではなくて、融合し画面の中では成り立つ特殊な仮想空間として作品をまとめ上げています。

新作10数点が並ぶ予定です。どうぞご高覧下さい。

スケジュール

2010年4月14日(水)〜2010年4月29日(木)