近年の絵画のトレンドが見る人々にとっつきやすいウケそうなものに向かっているのに対し、根本は自分自身が見たい世界を作品に表します。今展のタイトル”Battement de cil”は、フランス語で「まばたきの音」を意味します。「聴こえそうだけれど、聴こえない。存在するなら聴いてみたい。聴こえない音でも聴きたいと思えば、いつか自分の中で音を成す日がくる。見たいと思った事で初めて見える世界を作品に形づくるように」との思いを込めます。テレビ、雑誌、広告、ファッション、さらには展覧会などで目にする膨大な数の作品。実に様々なヴィジュアル・イメージをシャワーのように浴びる現代では、あらゆる作品に既視感がつきまとっています。イメージ漬けが常態となることで、新しいものを見たい、あるいは聴きたいという私達の意欲も失われつつあるのかもしれません。根本の姿勢は受動的にイメージを浴び続ける私達へのアンチテーゼであるとも言えるでしょう。
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