終了した展覧会・イベントです

飯川雄大 「グッドストリートランプ」

児玉画廊|白金
終了しました

アーティスト

飯川雄大
飯川はこれまで時間と感覚について実験的な映像作品を制作、発表してきました。例えば、今回も発表される「時の演習用時計」というプロジェクトは、人々が生活の準拠としている時間、即ち秒、分、時で1日を細分化する時計による時間を放棄して、24時間にまとめた一つの映像を1日を表す1単位とするものです。そもそも、人は生活の中で時計を見て時間を知るのと同時に、眠気や空腹など感覚的にも時間を捉えています。それは非常に曖昧な事で、時計が狂えばそれに気付かないことも往々にしてあります。そして人はなかなかそのことに注意を向けようとはしません。飯川にとってこの時間と人との関係が大きな関心事となっています。この作品は、時間を分割するための時計ではなく、不断に流れるものとして見せる時計です。したがってそれを見ることによって一日のある特定の一瞬を知る、という事は出来ません。このことは映像としては至極当たり前の事ですが、それをあえて時計と呼称することはつまり、画面の中の微々たる変化を24時間積み重ねていくことで、従来の時計とは異なる尺度で示す時計である、ということに他なりません。その尺度とは、映像に移る物や人、朝夕で異なる景色の移ろいなど、一瞬として同じではあり得ないすべての事象が複合的に積み重なって、やがて1日を終えていく様子一つ一つの全てです。24時間の映像として大きな一つの単位であると同時に、例えば一枚の葉が風に揺らめく1コマでさえもまた別の一単位となり、そうした無限の、無規格の単位が同一に流れる集合体として1日という時間を示しているのです。

展覧会タイトルにもなっている「グッドストリートランプ」はその新作として発表されます。一本の街灯にフォーカスした定点撮影を24時間続けて、その近辺で時とともに起こる変化をそのまま時計として見せる作品です。そこに写るのは人知れず起きている何でもない事であり、街灯の明かりが照らし出すものと照らし出されるもの、レンズに映る限りの空間内全ての事象、現象、関係性、偶然も必然も何もかもがひとつなぎに連関しているように見えてきます。ただ24時間のスパンを持った映像、というだけではなく、時計の針が示す以外の時間の姿を露にするためのものです。今回の個展では、「グッドストリートランプ」の他、「デコレータークラブ」、「ベリーヘビー」の3つのプロジェクトによる構成となります。

スケジュール

2010年7月3日(土)〜2010年8月7日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2010年7月3日(土) 18:00 から 00:00 まで

入場料無料
会場児玉画廊|白金
http://www.kodamagallery.com/
住所〒108-0072 東京都港区白金3-1-15 1F
アクセス東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅より徒歩8分
電話番号03-5449-1559
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