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笹山直規 「事故現場」

Frantic Gallery
終了しました

アーティスト

笹山直規
事故現場は、美術史上において主なテーマの一つであり、美術そのものは「生命の頂点」「予想できない終焉」という表現を常に試みるものとして考えられます。様々な時代や伝統の中で作家達は、事故や大惨事、災害に注目し「感情の極地」や「救済への希望」と共に「静寂で苦々しい運命の結末」を表現してきました。
2010年4月9日よりFrantic Galleryは「事故現場 笹山直規個展」を開催し、ギャラリーの二つの部屋にて、車の金属の表現豊かな散乱と、断片の繊細な突発である交通事故の巨大なシーンを展開します。2009年に制作された8点の大きな水彩画と3点の新作で構成されるこの風景は、最も濃縮された人生のテイストの瞬間、最後の運命的で致命的な出会いの精力であり、不可避的に握られ、触れ、感動させられる出会い、つまり、交通事故現場にスポットを当てたものです。

今回「事故現場」展で取り上げるテーマは、2004年から作家の中で大きな位置を占め始めました。この時期に笹山は、致命的な出来事を表現するために、アラビアガム水溶液、砂糖水、グリセリン、などを調合して作られたメディウムで顔料を練り、非常に高密な水彩絵の具を自ら作り始めました。事故のシーンは鮮やかなカーペットのように、はっきりとしない境界、明確な輪郭線なしで、構造と構成が減少した状態で現されています。交通事故の視覚的な側面は、アラビア模様を連想させる表現と非形象(ポスト形象)上の抽象の独特のイメージを生み出します。それと同時に「肉質感のある」自作した水彩絵の具の力もあり、致命的な事件は、非常に活気ある印象を受けます。自動車の骨組みと搭乗者のイメージは、錯乱に突入するだけではなく、非常に強い打撃を受けた金属は肉体性を飲み込んだように見えます。惨事である事故の空間は、柔らかさ、暖かさ、人間性で満たされます。このように、死体 と崩壊された機械の重い風景を提示する「事故現場」は、鮮明な生気で溢れており、事故の「生」と「死」両方を把握します。

スケジュール

2010年4月9日(金)〜2010年4月24日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

アーティストレセプション 2010年4月9日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場Frantic Gallery
住所〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-4-5 IID116
アクセス東急田園都市線池尻大橋駅南口より徒歩9分
電話番号03-3410-1325
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