2009年に「キヤノン写真新世紀」で佳作を受賞して以来、精力的に作家活動を展開している竹原。
今年5月に韓国で開催された写真専門のアートフェア「ソウルフォト2010」では、27点もの作品を発表しました。また、6月にはYOKOI FINE ARTにて初めての個展となる「inevitable−必然−」を開催しました。一里塚とも言うべき卒業制作に、故郷北海道の民俗的な要素が含まれ自身のルーツに対する執着が色濃く出ている作品群を加えて、合計46点にも及ぶ壮大な展示を構成。母胎をイメージして作り込んだ会場で、見る者を神秘溢れる生命の宇宙に誘いました。木々が茂る山や、人々が暮らす街並、そして拡大された女性の顔。生命と自然の循環、そして竹原自身の手の跡が感じられる、ひとつひとつの作品たち。これらの作品は、重ね合わせた幾つものイメージの上にニードルやバーナーで痕跡を残す事で、生み出されています。そして、声高に生命を主張しあう作品を、そのメッセージが最も伝わるように、竹原は構成を考えるのです。