若江漢字 「都市の消息」

LIXIL ギャラリー1 & 2

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若江漢字は、1970年代から写真・立体・絵画・インスタレーションを制作発表してきた日本を代表する現代美術作家です。その作風は、都市の写真やチェスなどの身近なオブジェを使いながら、1975年からドイツや欧州に滞在して制作してきた者だけがもつ、世界の社会情勢を肌で感じさせるような緊張感とダイナミズムにあふれています。これまでに国内外を合わせて多くの美術館で発表を重ね、高い評価を得てきました。

若江漢字は現在「密約」騒動に揺れる、神奈川県横須賀に育ち、60年安保のデモを高校時代に間近に見てきました。その後の冷戦時代の終結、EU統合、中国などのアジアの台頭と、めまぐるしく変わる価値観が、今も制作のインスピレーションの背景にあります。これまで世界を再構築するような、大掛かりなインスタレーションを制作してきた若江漢字ですが、2008年ドイツ・ケルンで横40m、高さ20mでのスペース展示の後、年齢的な変化を感じたと話します。 今も変わらぬ旺盛な制作意欲が向かった先は絵画。今回初めての絵画だけの展覧会を開催します。

「都市の消息」と名づけられたこのシリーズは、アクリル絵具で描かれ、グラフィックデザインのような、ポップとも言える、カラフルで端正な画面の6枚です。イスラエルとヒロシマ、ロンドンと北京、ローマとニューヨークの2点1セットで展示されます。聖櫃が浮かぶエルサレムの丘、キリコの絵のような原爆ドームとキノコ雲、若江漢字の作品にこれまでもよく出てきた黒点の浮かぶローマの町並み、いろいろなものが空から降ってくる摩天楼。すべて濃い灰色を背景に象徴的に浮かぶそれぞれのかたちは、若江漢字による世界情勢の謎解きのようです。加えて風雷雷神に襲われる崩壊しかかった米国のキャピタルヒル、ビラや書類、証券のようにも見える白い紙状のものが天空に舞うキャピタルヒル、また「楽園追放」と名づけられた、キリスト教のアダムとイブが楽園を追放される場面の作品も展示されます。これは、若江漢字が一貫してテーマとしてきた「近代とは何か」に対する、「楽園追放」から始まり「都市文明」で終結するストーリーを表します。

INAXギャラリーでは1990年に立体によるインスタレーションで若き日の若江漢字の展覧会を開催しました。20年後の今日、新たなかたちとなっても変わらぬ、優れて鋭い世界観をごらん頂きたいと思います。

アーティスト・トーク
2010年5月14日(金) 18:00〜19:00
会場にて、制作のことなど作家ご自身に語っていただきます。
講師 : 若江漢字
先着順・予約不要・参加無料

メディア

スケジュール

2010年05月01日 ~ 2010年05月27日

アーティスト

若江漢字

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