終了した展覧会・イベントです

「手探りのドローイング」展

東京国立近代美術館
終了しました
紙に、木炭や鉛筆が触れると、粒子が定着する。そのようにしてイメージが生まれるドローイングでは、触覚を働かせながら、微細な物質への意識を研ぎ澄ますことが必要となってきます。そしてそれゆえに、文字通り「手探り」でなにかをつかみたいと考えている芸術家にとって、ドローイングは、大事な探求方法となるのです。

たとえば吉田克朗(1943-1999)。指を使って描かれた形は、粘土のような立体感と雲のような流動性を兼ね備えています。出品作品は、それを「版」としてリトグラフで制作されたものですが、刷られて「厚み」がなくなった結果、逆に、造形性と、それを生み出したところの触覚性とが浮かび上がってきます。アブラハム・ダヴィット・クリスティアン(1952- )は、イメージに存在感を与えようと、紙が破れるのもかまわず、紙に(あるいはイメージに)筆圧をかけていきます。小林正人(1957- )には 、描く対象を、形あるものではなくて、明るさを持つものとして捉えなおそうとする意志を見出すことができます。

こうした「手探り」の感覚は、明晰に見ることが要求されているいつもの美術館の空間では把握しづらいかもしれない……そう考えて本展では、薄闇の中で作品を見る機会を特別に設けることとしました。約30点を展示します。

[画像:小林正人「Artist」(1998年) 当館蔵]

■キュレーター・トーク
保坂健二朗(本展企画者・当館研究員)
日程: 2010年8月28日(土)
時間: 14:00-15:00
場所: 2Fギャラリー4

保坂健二朗(本展企画者・当館研究員)
日程: 2010年10月8日(金)
時間: 18:00-19:00
場所: 2Fギャラリー4
※いずれも参加無料(要観覧券)/申込不要

スケジュール

2010年8月14日(土)〜2010年10月17日(日)

開館情報

時間
10:0017:00
金曜日・土曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日
月曜日が祝休日の場合は月曜日開館、翌平日休
展示替期間・年末年始休館
入場料[常設展] 一般 500円、大学生 250円、高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料、企画展はイベントにより異なる
会場東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp
住所〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口徒歩3分、東京メトロ半蔵門線・東西線・都営新宿線「九段下駅」4番出口、半蔵門線・都営新宿線・三田線「神保町駅」A1出口より徒歩15分
電話番号050-5541-8600 (ハローダイヤル)
関連画像

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