「夢みる家具 森谷延雄の世界 展」

LIXIL ギャラリー1 & 2

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大正時代に活躍した家具デザイナー・森谷延雄(もりやのぶお)(1893-1927)を紹介します。森谷は、33年という短い人生のうちで、研究、家具デザイン、執筆、教育など驚くほど膨大な仕事を家具界発展のために成し遂げました。本展では、その中でも、彼の理想と資質が最も顕著に表れたデザインに焦点をあてて森谷独自の表現の世界をご覧いただきます。家具界において、森谷ほど室内装飾にロマンティシズムを極めた人はいないでしょう。

森谷は、1923年の関東大震災後の復興期にあって、簡便堅牢という当時の室内装飾の潮流に逆行し、自身の理想を貫きました。彼のつくる家具や室内装飾は、まるで詩や童話の世界から飛び出してきたかのように甘美で繊細です。震災後の第11回国民美術協会展覧会に出品した3つの部屋「ねむり姫の寝室」「鳥の書斎」「朱の食堂」は彼の詩的感受性を存分に発揮した作品として高い評価を得ます。これらに見られる作風は、森谷が文部省からの派遣で欧米に留学中、ドイツ表現主義の影響を受けたためとも言われますが、それ以上に彼自身の資質であるように思われます。そして、森谷はもうひとつ理想を掲げています。それは中流家庭に向け、日本人の感性と生活に合った新しい洋家具を普及させることでした。家具製作工房「木のめ舎」はそのために設立されたグループです。廉価で実用性と美しさを兼ねそなえた家具づくりを目指しました。これは森谷の現実的で堅実な仕事ですが、工房の趣意書には「室内が美しい詩を物語つて呉れる程度のものであつて欲しい」と書ています。森谷は、芸術的表現としての家具も、また一般に普及させるための家具も、詩を奏でるものであってほしいと願い、この思いこそが彼の家具づくりの底流に流れているのです。

会場では、現存する数少ない森谷の家具から復元を含めて13点を大きく2つのコーナーに分けてご覧いただきます。ひとつは上述の3つの部屋に登場する「夢みる家具」4点です。当時撮影された各部屋の写真パネルとともに展示します。彼の詩的空間を存分に味わっていただけます。また、先の3つの部屋以前に発表した着想と図案も写真パネルでご紹介します。これらに対してはあまりの非現実性に酷評を浴びますが、森谷の徹底した理想表現の追及が読み取れます。もう一つのコーナーでは、まず「木のめ舎」の作品4点を展示します。惜しくも森谷は「木のめ舎」初の展覧会の数日前に世を去ります。その作品集に収められた家具たちです。次に、森谷の恩師・松岡壽(ひさし)邸、京都帝国大学楽友会館のために作られた家具、そして日本工芸美術会の展覧会に出品された家具5点です。「夢みる家具」と比べるとシンプルですが、それぞれのディテールからは森谷の繊細な感性が十分に伝わる作品です。留学中に美術館や博物館に通いつめて描いた実測スケッチもその詳細さは必見です。その他、森谷が残した言葉や著書など周辺資料をとおして、家具デザイナー・森谷延雄の創造世界へとご案内いたします。どうぞご期待ください。

メディア

スケジュール

2010年09月03日 ~ 2010年11月20日

アーティスト

森谷延雄

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Reviews

henacyoko: (2010-10-24)

「アールで描かれたロマンチックな家具」に囲まれたい方に、お薦めの展覧会です。
http://henacyoko-art.at.webry.info/201010/article_11.html

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