目黒区美術館共に京都出身で、浅井忠のもとで学び、親しい友人でもあった澤部清五郎(さわべせいごろう・1884~1964)と小川千甕(多三郎)(おがわせんよう(たさぶろう)・1882~1971)の残した、20歳前後から後年までの多数のスケッチブック(各70冊前後を予定)の内容を紹介します。
画家のスケッチブックは資料として非常に魅力的ですが、展示方法が制限されるためもあり、回顧展等ではそのごく一部しか見ることができません。今回とりあげるスケッチブックはそのほとんどが旅行用の小さなものですが、時に水彩を施したり、旅の印象やメモなどの書き込みがあったり、その内容には興味深いものがあります。当館では、澤部清五郎のスケッチブック群100冊あまりを所蔵していますが、今回はこれに、作家遺族所蔵の小川千甕のスケッチブック群、同じく百冊あまりをあわせて、その中から、浅井忠門下での洋画習得のあとやさまざまな試み、二人が同じ時期に渡ったフランスほか国内外の旅の足跡を示すものなどを選び展示します。基本的にすべての出品スケッチブックの全ページを複製し、スケッチブック本体の展示に、ディスプレー表示のスライドショーや拡大画像をまじえ、通常の展覧会ではとりあげないスケッチブック「まるごと」の展示を試みます。
澤部と小川は、ともに日本画を幼少から学び、浅井忠のもとで洋画の研鑽を積み、澤部はアメリカからヨーロッパへ、小川もまたヨーロッパへと渡り、1913年にはパリやロンドンで行動をともにしました。帰国後の澤部は、洋画・日本画の制作を続けながら川島織物でのデザイナー・図案家としての仕事を中心とし、一方、帰国後の小川は日本画に専念し、やがて南画へと進路を定めることになりました。本展ではスケッチブックに加えて、主に海外での制作を中心に、目黒区美術館所蔵の澤部と小川の絵画作品ほかも展示。洋画を本格的に学びながらも、「洋画家」とはならなかった二人の興味深い道程にも触れる予定です。また、開催にあわせて、スケッチブックをテーマとする一連のワークショップを開催いたします。
■期間中、こどもとおとなのための様々なワークショップを行います。詳細はホームページをご覧ください。
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