ギンザ・グラフィック・ギャラリーまるで現代の技術革新を必死で追いかけながら、時代の流れに乗り遅れまいと日々やきもきする私たちを嘲笑うかのように、飄々と我が道を歩み続ける立花文穂。巷に溢れかえるデジタル然としたデザインとは一線を画す、自身の感性を頼りにひたすら手作業で創り上げられる独自の表現に、心から魅了されてしまったファンも多いと思います。
2007年に創刊された、自身が「文字のはじまり」あるいは「美術、写真、(建築)、ことば、さまざまな表現をぐちやつとまるめた紙塊」と称する『球体』でも、責任編集・アートディレクターとして独特の本の世界を編み出しています。
そんな立花氏がgggで開催する個展に掲げたキーワードは「デザイン」そして「印刷物」。これまでに制作された数々の印刷物を、惜しげなく、飾ることなく、網羅します。コンピュータ/デジタル世代に対する反発のように、紙の質感や手作りのぬくもりが求められるようになって久しい昨今。そのような動向以前から変わらず、立花作品には作品ごとに異なる、微妙で繊細な美が潜んでいます。それを読み解くには、ゆっくり時間をかけて、じっくり眺めることが必要かもしれません。
せせこましく流れていく都会の喧騒を忘れて、ものをつくるという行為の原点に立ち返らせてくれるような立花文穂のデザインに、どっぷり浸ってみてください。
[画像:「SMTWTFS06」 2005、ポスター(オリジナル)]
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