伊東は秘め事と捉えられがちな性欲について、その喜び・快楽・愛の素晴らしさを説き続けてきました。しかし社会生活の中で自分の性を解放している人が一体どれほどいるでしょう。伊東もかつては比喩的に、ある時は花の姿を借りて、またある時はコスプレの手法を取りながら恥じらいをもって作品に表してきました。
それは自分を客観的に見つめる制作過程において、羞恥心や集団的協調性などの生まれ持った社会性が強調され、自らをコントロールしていたからかもしれません。それならば一時、夢うつつの世界(作品にまつわる全ての過程)の中だけは制限なく本能を解放することで、性、すなわち生の素晴らしさを改めて説いてゆけたら、と伊東は考えます。
欲望を解放する乱れた姿と、普段の伊東の佇まいは、鑑賞者に強い乖離を感じさせます。 なにが本来の彼女の姿であるのか、混乱と共にその欲望の深さを思い知らされるのです。本展は、写真・平面作品・立体作品・インスタレーションを含む、多岐にわたる作品群から構成されます。 本能のままの伊東明日香と、客観的に俯瞰したイトウアスカ、2人展といっても過言ではないその両面性をぜひご高覧ください。
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