Gallery A4ギャラリーエークワッドでは、日本から生まれた木造によるモダニズム表現を追求した建築家とその作品を紹介する展覧会をシリーズで開催しています。
2011 年は、愛媛県八幡浜市役所の建築技師として優れた学校や病院施設などをつくり活躍した松村正恒(1913 ~ 1993)を取り上げます。その代表作である「日土小学校」は、1999年にdocomomo20 選に選定された日本を代表する木造モダニズム建築の傑作です。しかし、その建築も竣工後約50 年が経ち、建物の老朽化や耐震性能の課題から、建替えを含む再生計画の議論がなされました。その結果、地域の人々が出した結論は、日土小学校を安全で現代的な学校にするとともに、生きた文化財建築へと甦らせることでした。多くの人々の情熱と努力と叡智によって、2009 年春、増築を含む保存再生工事が完成しました。その経緯は、建築保存の一つの成功例となって、地域と建築を繋ぐこと、また再生と保存のあり方、さらには、モダニズム建築の思想や本質を示しているのではないでしょうか。
松村は、東京の武蔵高等工科学校(現・東京都市大学)や土浦亀城建築設計事務所で欧米のモダニズムの洗礼を受けながらも、日本で欧風の表現手法にこだわることに限界を感じ、生まれ故郷の愛媛に戻り、地域や環境を生かした日本独自の木造モダニズムを追求しました。華やかな中央の建築界とは一線を画し、地域に根ざしたこのような素晴らしい文化が生まれたことに建築家の設計思想の奥深さを感じずには居られません。松村正恒が設計した木造モダニズムの学校建築や病院などの優れた公共建築を通して、モダニズム建築をめぐるもうひとつの可能性について考えるきっかけになることと思います。
【講演会】「松村正恒の思想」
松村正恒の求めた思想と作品を紹介する講演会
日時:2011年3月25日(金)18:30-
講師:花田佳明(神戸芸術工科大学教授)、青木淳(建築家・青木淳建築計画主宰)
【シンポジウム】「学校建築の再生と保存」
松村正恒が目指した木造モダニズムが現代に伝えること、木造モダニズムの学び舎の今後など展示では表現できない内容をシンポジウムで報告し議論する。
日時:2011年5月13日(金)18:30-
講師:鈴木博之(青山学院大学教授・明治村館長)、花田佳明(神戸芸術工科大学教授)、曲田清維(愛媛大学教授)、梶本教仁(八幡浜市教育委員会)、和田耕一(和田建築設計工房主宰)
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