「西尾美也のアートの実践~ナイロビでの活動を通じて」は、AITの教育プログラムMAD(Making Art Different) の2009年度キュレーション・プラクティスコースの修了生が企画したトーク・イベントです。8月4日(木)の19時より、現代美術家の西尾美也氏を招き、お話しを伺います。本コースでは、受講中に展覧会およびイベントの企画実行を目的としており、これは、その成果発表となります。
西尾氏は、これまで装いの行為(ファッション)とコミュニケーションの関係性に着目した作品制作を行い、2009年からは、東アフリカに位置するケニア共和国の首都ナイロビで、日常的な生活空間を実験場とする「ナイロビ・アートプロジェクト」を実施しています。これまでに、ナイロビの通行人と衣服を交換する「Self Select in Nairobi」や、市民から集めた古着を解体し、巨大な蒸気機関車として再構築する「Overall Project in Nairobi」など、地域住民との創発的な関わり方を見いだしてきました。現場に敏感に反応しながら、作品を制作する西尾氏の実験的なスタイルは、グローバリゼーションが進み、旧植民地における人々の関係性が複雑化する今、新しい関係性構築のための手掛かりとなっています。