多摩美術大学美術館アーティスト
ジョージ・リランガ、E.S.ティンガティンガ 他
近年、多くの国際美術展や美術館での企画展やコレクションにおいて、現代アフリカ美術が取り上げられることも珍しくなくなりました。それらは欧米主導の美術の流れとは異なる、独自の発展と世界観を持つ文化や芸術性の高さから、欧米のアートシーンにも刺激と影響を与え続けています。
これまで多摩美術大学美術館では、アフリカ文化への関心を先取りするようにアフリカ美術をテーマにしたいくつかの展覧会を開催しました。それらはアフリカ文化研究家で、貴重な作品・資料を蒐集した故白石顕二氏(1946-2005)の協力無しには実現しませんでした。同氏が生涯をかけたアフリカ文化への情熱と取り組みは、人類史と現代社会の根底にある諸問題への批判と克服を目指した道程でした。人類の起源といわれるアフリカの地に足を運び、その数奇の歴史と現代の状況を伝統文化から現代文化までを俯瞰する目線とアフリカに生きる民衆や知識人たちとの交流により、アフリカ文化の根源的エネルギーと造形性にいち早く着目しました。
本展は白石氏により蒐集されたアフリカ文化に関する貴重な作品、資料群である「フリーダ・コレクション」から、約200点余の作品を紹介するもので、真のアフリカ美術の全貌と本質を理解するための礎となるでしょう。それは単に美術にとどまらない多彩な文化を、従来のジャンルや歴史観を越え、交錯し融合する多重的表現世界であり、背景の政治・経済事情にいたる社会情勢とも連環します。まさに混迷する現代世界を凝視する声無き声であるアフリカからの魂の叫びであり、そうしたアフリカ文化への魂を賭けた取り組みです。この展覧会はアフリカ美術の歴史的な系譜だけではなく、世界的なアートシーンの未来を予感させるものとなるでしょう。
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