三菱一号館美術館19世紀半ば、近代化に沸く欧米に、日本の「型紙(かたがみ)」が大量にもたらされました。型紙とは、絹や綿に模様を染め付けるために使われてきた道具で、柿渋を用いて加工した紙に、菊花、流水、縞、網代など、驚くほど多種多様なデザインが、時に大胆、時に精緻に彫り抜かれています。欧米の芸術家、デザイナーが海を渡った浮世絵を見て、その斬新な構図や色彩に多大な影響を受けたことはよく知られています。型紙のデザインも浮世絵と同様、芸術家たちを驚かせ、その着想の源となりました。例えば、英国ではチャールズ・レニー・マッキントッシュの家具、フランスではルネ・ラリックの宝飾品、オーストリアではコロマン・モーザーのテキスタイル、アメリカではルイス・コンフォート・ティファニーのガラス工芸など、様々な分野の作品にその影響がみられます。海を渡った型紙のデザインは、浮世絵と同様、アール・ヌーヴォーやユーゲントシュティールに代表されるジャポニスムの潮流の源泉となったのです。驚くことに、型紙は現代のデザインにさえ影響を与え続けています。本展覧会は、型紙で染め付けられた日本の着物やそれが描かれた浮世絵に始まり、19世紀末から20世紀初めに欧米で制作された、ガラス工芸や金工、陶磁器、ポスター、家具、テキスタイルなどが、型紙そのものと共に並びます。型紙は、日本の代表的なコレクションからのほか、19世紀に大量に海外に渡ったものも100年ぶりに里帰りをします。19世紀末の欧米の芸術家たちが日本のKATAGAMIの魅力にいかに夢中になったか。その驚くべき影響力を、国内外の美術館、博物館より借用の多彩な作品でご堪能ください。
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[画像:「菊唐草」(1778) 型紙]
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