目黒区美術館日々制作を続ける私たちにとって、第三者に見せたくない「ウラ」とは何かと考えてみたところ,それは「制作過程」つまり自分の努力や発想、技術的な手の内という生々しい部分でした。そして逆に見せても良い「オモテ」の部分は自分自身の手から離れた「作品」自体であり「展覧会」と考えられました。私たちは図らずとも今までなるべくウラの部分である「制作過程」を多かれ少なかれ隠蔽してきた訳です。しかし本当に「制作過程」というのは隠しきったほうが良いものなのでしょうか。私たちは、今回の展覧会にあたって、そう考えないことにしました。制作過程の中には作品に統合される以前の未分化な感覚や情動など、複雑で混沌としたものが絡み合っているのではないでしょうか。そういった生々しい現場 =「制作過程」こそが作品自体よりも作者の伝えたいことをより雄弁に第三者に伝える事だってあり得るのだと思います。「ウラ」と「オモテ」は二律背反。両者は関係し合い、わたしたちはその間で常に葛藤し、作品を生み出しているのです。この展覧会ではウラとオモテの境界を繋ぐ、普段他者の目には触れない未確認な領域(X)を提示する事で、よりニュートラルで新たらしい共有の場の創造を試みていきます。
<参加アーティスト>
大森悟、遠藤良実、大塚弓絵、具ギプン、古曳正実、齋藤杏奈、東麻奈美、渡邉ひろ子、牧阿佑美
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