photographers’ galleryこの度 photographers’ gallery では、2009年5月に『photographers’ gallery press no. 8』発売記念企画として開催した、「田本研造—函館港湾・水道工事の記録」展をアンコール開催いたします。前回の展覧会終了以降、再開催を希望する多くの声をいただき、土木図書館のご協力のもと、再びご覧いただける機会を設けるに至りました。明治時代の写真師・田本研造が撮影した北海道開拓写真のなかから、当時の函館や札幌の様子を伝える写真を掲載した『photographers’ gallery press no. 8』は、約490点もの写真によって田本研造の全貌に迫っています。今回はそのなかから、コンクリートブロックを用いた防波堤の建造など、明治30(1897)年当時最新の技術を記録した函館港湾工事の写真、そして現在も水道として使用されている配水池などを竣工当時に撮影した函館水道工事の写真を展示いたします。港湾工事の写真に至っては、2009年の刊行時までその存在をほとんど知られていませんでした。土木図書館所蔵の写真は、明治29 (1896) 年から30 (1897)、年までの間に撮影されたもので、現存する田本の写真のなかでも非常に保存状態がよく、19世紀後期の写真印画にしか見ることのできない、鶏卵紙特有の美しい茶褐色のトーンを保持しています。田本の写真群は、最先端の写真機具を駆使して撮影された、その見事なまでの精緻な描写はもちろんのこと、港湾や上水道といった国土整備のために土地が切り開かれてゆく様の記録としても見逃すことができません。19世紀中頃から日本が近代化の過程で押し進めた北海道開拓の記録を、いま再び新たな視点から見返すことのできる貴重な機会となります。
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