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狩野哲郎 「1本で複数の木」

YUKA TSURUNO GALLERY
終了しました

アーティスト

狩野哲郎
狩野哲郎は現在まで、植物の種子を展示空間に蒔き、成長を見守るインスタレーションや、鳥と植物を内包した空間設計としてのインスタレーションなど、レジデンスや滞在制作型のプロジェクトを中心に自然物と既製品を組み合わせたインスタレーション、ドローイング、写真などを使ったサイトスペシフィックな作品の制作に取り組んできています。昨年2011年には、東京都現代美術館の敷地内に建てられたパヴィリオンでの展示「ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト」のトップバッターとして個展を開催し大きな話題になりました。そこでは網やホース、鳥脅しなどを用いて、「自然の設計/Naturplan」と称したインスタレーションに鳥を招き入れ、美術館の展示室に配置された、様々な既製品という人間にとっての記号的な意味を持ちながら、鳥にとっては生活環境として認識されていく、新たな空間の知覚方法を提示しました。このように狩野は、作品材料や作品を展示する空間を、それらがあらかじめ持っていた何らかの意味や機能を逸脱し、新たに組み合わせることで、日常的なスケールの中でのランドスケープ、またはドローイングのような空間をつくり出します。植物や動物など、人間にとってはコントロールできない偶然性をも内包した作品は、私たち人間の知覚とは異なった時間の流れを感じさせ、同時に、同じ環境の中で人間以外の生物もそれぞれの「自然」の中で生きていることへの想像を促します。

YUKA TSURUNOでの初個展となる本展は、「自然の設計/Naturplan」シリーズの新作インスタレーションとドローイングによって構成されます。タイトルとなっている「1本で複数の木」とは、生物学者であるユクスキュルの「一本のカシワの木が、多種多様なそれぞれの生物にとって変化にとんだ役割を果たしている」という考えに基づくものであり、そこから狩野が独自に発展させたものです。世界をどこか傍観者として眺めるような姿勢で、人間によって意味付けされたものに疑問を投げかけながらも、それらを越えて存在する生き物たちの「自然」とそこから派生する文化に対する狩野の深い洞察が作品をもって立ち現れます。

[画像: 狩野哲郎 "Nameless play" (2012) インスタレーション, 写真: Kenji Morita]

スケジュール

2012年4月7日(土)〜2012年5月12日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

アーティストレセプション 2012年4月7日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場YUKA TSURUNO GALLERY
http://yukatsuruno.com/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
電話番号03-5781-2525
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